
「太陽光でつくった電気、最近あまり売れなくなってきた…」
そのように感じていませんか?
FIT(固定価格で電気を売る制度)が終わり買取価格が下がると、電気は売るより自宅で使うほうが節約になるケースが増えます。
そこで注目されているのが「蓄電池」の活用です。
本記事では、卒FIT後に蓄電池を導入するメリットや価格相場、導入の流れを解説します。
今後の電気の使い方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
卒FIT後は蓄電池の活用が経済メリットが高い
2019年以降、FIT(固定価格買取制度)により国が決めている電気が高く売れる期間が終了した家庭が増えています。
過去には、1kWhあたり24〜32円で自家発電した電気を電力会社に売れた時期もありました。
対して卒FIT後は、売電価格は1kWhあたり8〜10円程度まで下がり、大きな利益は得られにくくなります。
そのため、卒FIT後は「発電した電気を売る」よりも、家庭で効率的に活用することで電気代の節約につなげる方が経済的といえます。
この電気を家庭で使う「自家消費」を効率よく実現するために活躍するのが、家庭用蓄電池です。
蓄電池を後付けすれば、昼間に太陽光で発電した電気を夜まで有効活用できます。
卒FIT後も太陽光発電をムダにせず、しっかり節約したい方には、蓄電池の導入が有効な選択肢となるでしょう。
卒FIT後に蓄電池を設置する4つのメリット
卒FIT後に蓄電池を導入すると、家計の節約や非常時の備えなど、暮らしの安心につながるメリットがあります。
電気代を抑えられる
昼間に発電した電気を蓄電池にためておくことで、夜や雨の日でも電力会社からの電気購入を減らせます。
電気料金が高く設定されている夕方以降に、ためておいた電気を使えるのは大きなメリットです。
「なるべく電気を買わない生活」を目指すうえで、蓄電池は非常に頼もしい存在になります。
また、時間帯別の電力プランと組み合わせることで、節約効果をさらに高めることも可能です。
停電・非常時に活用できる
地震や台風などで停電が起きたときでも、蓄電池にためた電気があれば、最低限の生活を続けられます。
停電時でも蓄電池があれば、冷蔵庫や照明、スマホの充電といった暮らしに欠かせない機器を動かせるので安心です。
状況によっては、災害が起きても避難所に行かずに自宅で過ごせる可能性も出てきます。
蓄電池は「非常時の備え」として、心強い役割を果たしてくれます。
夜間に電力を使える
太陽光発電は昼間にしか発電できませんが、蓄電池があれば昼に作った電気を夜に使うことができます。
とくに夜の電力使用が多い家庭では、電気代の節約に大きく貢献します。
たとえば、夜に洗濯機や食洗機を使う方にも相性がよく、自家発電の恩恵を最大限に活かせます。
結果として、「電気を買わない時間」が夜にも広がり、生活コストの削減につながります。
補助金制度を活用できる可能性がある
国や自治体では、蓄電池の導入を支援する補助金制度を用意しています。
補助額は地域によって異なりますが、条件を満たせば10万円〜30万円以上の費用がカットできることもあります。
蓄電池導入による補助金制度を活用すれば、初期費用のハードルを大きく下げられる可能性が広まります。
補助金には申請期限や対象条件があるため、事前に自治体の公式サイトなどで最新情報を確認することが大切です。
卒FIT後に蓄電池を導入する価格相場
卒FIT後に蓄電池を導入する際の価格は、選ぶタイプや家庭のニーズで変わります。
以下に主な3タイプの価格相場の目安と特徴をまとめました。
- 単機能型:70〜210万円の価格で、既存太陽光パネルとの相性が良い
- ハイブリッド型:100〜270万円の価格で、工事しやすく一体運用が魅力
- ポータブル型:10〜70万円の価格で、簡易的な利用向け
機能ごとの特徴やメリットを紹介します。
単機能型
単機能型の蓄電池は、既に太陽光パネルを導入している家庭向けに、蓄電池本体のみを追加設置するタイプです。
相場は1kWhあたり約13〜21万円で、5〜10kWhクラスのモデルなら70万円〜210万円程度が目安となります。
単機能型は太陽光発電の既存設備と連携して使うため、初期費用を比較的抑えやすい点がメリットです。
構造がシンプルで操作も分かりやすく、初めて蓄電池を導入する方にも選ばれています。
ハイブリッド型
太陽光パネル用のパワーコンディショナ(太陽光を電気に変換させる装置)と蓄電池を一体化したモデルです。
価格相場はおよそ100〜270万円ほどで、モデルや容量によっては170〜590万円程度になる場合もあります。
パワーコンディショナが一体型なので設置工事がシンプルで、見た目や配線まわりもすっきり仕上がります。
ハイブリッド型は一体運用がしやすいため、設置の見た目や管理のしやすさを重視する家庭に適しています。
ポータブル型
コンパクトで持ち運びができる蓄電池で、停電時の備えやアウトドア用途にも使われます。
ポータブル型の価格は10万〜70万円ほどと比較的リーズナブルで、補助電源として導入しやすい点が特徴です。
スマートフォンやノートパソコン、照明などの小型家電の使用に適しており、災害対策にも有効です。
ただし容量が小さいため、家庭全体の電力供給には不向きで、ポータブル型はあくまでサブ用途に向いています。
卒FIT後の蓄電池を選ぶ際に見るべきポイント
蓄電池選びでは「どれだけ電気がたくわえられるか」「安心して使えるか」「設置できるか」が重要です。
主要3つのチェック項目を解説します。
容量(kWh)
蓄電池の容量とは、「電気をどれだけためられるか」を示す数字で、kWh(キロワットアワー)という単位で表されます。
一般的に10kWhあれば、夜の家庭の電力をほぼまかなえるとされています。
容量が小さすぎると、停電時や夜間に電力が足りなくなるおそれがあるので注意が必要です。
一方、大きすぎると高額になりがちで、使いきれず無駄になるケースもあります。
日常の電力使用量や、停電への備えの期間などから、適切な容量を選ぶことが大切です。
一般家庭では4〜12kWhの範囲がよく選ばれており、パートナーサイトでも容量選びの重要性が解説されています。
メーカー・保証・寿命
蓄電池は長く使うものなので、メーカーの信頼性や保証内容は非常に重要です。
製品によっては10〜15年の保証があり、トラブルが起きたときの修理対応サポートや安心感を得られます。
機器の寿命は使用環境や充電回数により異なりますが、保証期間内にどこまでサポートされるか、どの範囲まで無償なのかを確認しましょう。
有償で保証を延長できるオプションを用意しているメーカーもあるため、導入前に細かく比較して選ぶことがポイントです。
設置スペース・工事条件
一般的な蓄電池は、重量が100〜200kg前後となり、サイズも大きめなため、設置する場所の確認が欠かせません。
屋内に置く場合は床の強度や換気スペース、屋外では直射日光や雨・塩害への対策が必要になります。
また、機器の周囲にはメンテナンス用の作業スペースも確保しなければなりません。
設置環境によっては配線の引き回しや土台の設置工事が必要になるケースもあるため、事前に業者と現地確認をしておくのが安心です。
卒FIT後に蓄電池を導入する手順
蓄電池を導入するには、いくつかの工程を順番に進める必要があります。
実際に蓄電池を導入する流れを紹介します。
現地調査・見積もり依頼
専門業者に連絡して自宅の現地調査を依頼します。
設置場所の広さや配線の状況、既存の太陽光設備との連携が可能かなどをチェックしてもらいましょう。
見積もりでは、蓄電池本体の費用だけでなく、配線・基礎工事などの内容やトータル
コストまで細かく確認することが大切です。
複数の業者を比較して検討することで、納得のいく選択につながります。
補助金の確認・届出手続き
蓄電池には、国や自治体が提供する補助金制度が利用できるケースがあります。
制度内容は年度や地域によって異なるため、最新の情報を公式サイトなどで確認しましょう。
また、卒FIT後に蓄電池を追加設置する場合、認定変更の「届出手続き」が必要になります。
届出に関する書類対応は多くの業者が代行可能なので、早めに相談しておくとスムーズです。
本体購入〜工事実施
蓄電池の機種が決まれば、設置工事の準備に入ります。
基礎部分の施工や本体の設置、屋内外の配線工事などが必要で、施工は有資格の電気工事士が対応します。
多くの場合、工事は1〜2日で完了しますが、天候や環境により延びるケースがあります。
騒音や通路の使用など、近隣への配慮も事前に相談しておきましょう。
工事完了後は、アプリやモニターを使って、発電・蓄電・放電が正常に行われているか動作確認を行います。
蓄電池導入後に不具合があればすぐ業者に連絡し、調整してもらいましょう。
稼働後の動作確認
蓄電池の設置が完了したら、日々の動作状況をこまめにチェックしましょう。
多くの蓄電池には専用のアプリやモニターがあり、「どれだけ発電・蓄電・放電しているか」をリアルタイムで確認できます。
蓄電池のモニタリングを続けることで、無駄な電気の使い方に気づけたり、節約効果を実感しやすくなったりします。
日々の動作確認は不具合の早期発見にもつながるため、蓄電池導入後もしばらくはチェック習慣をつけておくと安心です。
まとめ
卒FITを迎えると売電価格が大きく下がるため、蓄電池を活用した自家消費に切り替えることで電気代の節約につながります。
価格や機能は蓄電池のタイプによって異なるため、家庭の使い方に合ったものを選ぶことが大切です。
蓄電池の導入を検討している方は、まず信頼できる業者に相談し、見積もりや補助金の情報を確認してみましょう。
資料請求や無料相談を活用して、自宅に合った蓄電池の導入方法を見つけてみてください。