
近年、地球温暖化や環境問題を起因として、エネルギー問題への関心が高まっています。
しかし、「エネルギー問題が、私たちの生活にどのように関わっているのか」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、そんな皆様の疑問を解消するために、
- エネルギーとは
- 私たちにエネルギーが届くまで(エネルギーの流れ)
- 日本のエネルギー問題とは
- エネルギー問題解決への取り組み
上記について、解説していきます。
基礎知識から、今後のエネルギー政策まで、分かりやすく紐解いていきます。
エネルギーとは?
エネルギーとは、「仕事をする能力」です。
ここでいう「仕事」とは、物を動かしたり、光や熱・音を出したりすることを指します。
つまり、この世界で、動いているもの・光っているもの・熱を出しているもの・音を出しているものには、全てエネルギーがあります。
そして私たち人間は、自然界に存在するエネルギーを、人が使いやすいエネルギーに加工・変換し、生活を便利にするために利用しています。
自然に存在するエネルギーを一次エネルギー、人が加工したエネルギーを二次エネルギーと言います。
一次エネルギー・二次エネルギー・最終消費とは
エネルギーの流れを理解するうえで重要なのは、我々が一次エネルギーを二次エネルギーに変換し、エネルギーを消費していく(最終消費)流れを押さえることです。
まず初めに、一次エネルギー・二次エネルギー・最終消費とは何かについて解説していきます。
一次エネルギーとは?~再生可能エネルギー・化石燃料・原子力~
一次エネルギーとは、自然界に存在するエネルギー源から、直接得られるエネルギーのことです。
一次エネルギーは、再生可能エネルギー、化石燃料、原子力の3つの種類に分けられます。
再生可能エネルギーとは、自然界に存在し繰り返し利用できるエネルギーのことです。例えば、地球上に存在する太陽光、風力、水力、地熱など、自然の力によって生み出されるエネルギーを指します。
化石燃料と原子力は一次エネルギーは資源に限りがあり、厳密には自然の力のみを利用しているとは言えません。
一次エネルギーの具体例
再生可能エネルギー
再生可能エネルギーには、
- 太陽光
- 風力
- 水力
- 地熱
- バイオマス
上記5つがあります。
再生可能エネルギーは自然界に存在するエネルギー源を利用するため、枯渇の心配がなく、発電時にCO2をほとんど排出しません。
環境負荷が低い一方で、発電量が気象条件に左右される場合や、導入コストが高い場合があります。
化石燃料
化石燃料には、
- 石油
- 天然ガス
- 石炭
などがあります。
化石燃料で二次エネルギーを抽出する際、燃焼時に二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出し、地球温暖化の原因となっているとも考えられています。
一方でエネルギー密度が高く、安定した供給が可能です。
現状化石燃料は比較的安価で既存のインフラが整っていますが、埋蔵量の枯渇も心配されています。
原子力
原子力には、ウラン・プルトニウムなどがあります。
二次エネルギーに変換する際に、CO2を排出せず安定した発電が可能です。
一方で、放射性廃棄物の処理問題や事故のリスクがあります。
二次エネルギーとは?~加工され、使いやすくなったエネルギー~
一次エネルギーに対し、二次エネルギーとは、一次エネルギーを加工・変換して、人々の生活や産業活動で利用しやすい形にしたエネルギーのことです。
例えば、一次エネルギーである石油は、精製という加工を経て、自動車の燃料となるガソリンや暖房に使う灯油といった二次エネルギーに姿を変えます。
また、同じく一次エネルギーである太陽光は、太陽光パネルを通して電力という二次エネルギーに変換され、私たちの家庭の照明や家電製品を動かす力となります。
二次エネルギーの具体例
電力
様々な一次エネルギーを元に発電されます。
家庭・オフィス・工場など・幅広い用途で利用される、現代社会に不可欠なエネルギーです。
都市ガス
主に一次エネルギーである天然ガスを精製し、パイプラインを通じて各家庭や事業所に供給されます。調理や給湯、暖房などに利用されます。
ガソリン・灯油・軽油
一次エネルギーである石油を精製して得られる液体燃料です。自動車や航空機・船舶などの輸送機関や暖房器具などに利用されます。
コークス
一次エネルギーである石炭を乾留(空気を遮断して加熱)して製造される、主に製鉄業で使用される燃料です。
水素
様々な一次エネルギーや未利用エネルギーを元に製造される、次世代のエネルギーとして注目されています。燃料電池などで電気や熱を取り出すことができます。
最終消費とは~エネルギーが実際に利用されていく~
最終消費とは、二次エネルギーが私たちの生活や産業活動において、最終的に利用される段階を指します。
発電所で作られた電力・精製されたガソリン・製造された都市ガスなどが、家庭・工場・オフィスなどで、それぞれの目的のために使われることを意味します。
エネルギーが私たちに届くまで(エネルギーの流れ)
本章では、実際にエネルギーが一次エネルギーから二次エネルギーに変わる・二次エネルギーが最終消費されるまでを解説します。
一次エネルギーから二次エネルギーへ
再生可能エネルギーから二次エネルギーへの変換
太陽光から電力へ
太陽光発電は太陽光パネル(太陽電池)で、太陽光のエネルギーを電気に変換します。
太陽光パネルは、シリコンなどの半導体でできており、太陽の光(光子)が当たると、半導体内部で電子が動き出し、電気の流れ(直流電流)が生じます。
発電された直流電流は、パワーコンディショナーという装置で交流電流に変換され、家庭や事業所の電気機器で使用できるようになります。
余った電力は電力系統に送ることも可能です。太陽光発電は設置場所を選ばず、小規模から大規模まで対応可能です。
発電時にCO2を排出しないクリーンなエネルギーですが、発電量は日射量に左右されます。
風力から電力へ
風力発電は、風力発電機と呼ばれる巨大な風車を利用し電力を発電します。
風力発電機は、風がブレード(羽根)に当たり、ブレードが回転します。
この回転運動が増速機を通じて発電機に伝えられることで、電気エネルギーに変換されます。
広大な土地や洋上が適しており、CO2を排出しない大規模発電が可能です。
ただし、風の強さや安定性に発電量が左右され、騒音や景観への影響も考慮する必要があります。
水力から電力へ
水力発電は、高い場所にある水の位置エネルギーを利用します。
ダムや水路によって水の流れを作り出し、その流れで水車を回転させます。
水車の回転運動は発電機に伝えられ、電気エネルギーに変換されます。
古くから利用されてきた安定的な発電方法でCO2を排出しない一方、大規模なダム建設は環境に影響を与える可能性があります。
地熱から電力・熱利用へ
地熱発電は、地下深くにある高温の蒸気や熱水を坑井を通じて地表に取り出し、その蒸気でタービンを回して発電します。
また、温泉熱などを直接暖房や給湯に利用する例もあります。
天候に左右されず安定した発電が可能で、CO2排出量も少ないですが、適した地域が限られ、開発に時間や費用がかかる場合があります。
バイオマスから電力・ガス・液体燃料へ
植物や動物由来の有機物(バイオマス)が持つ化学エネルギーを利用し、二次エネルギーに変換します。
木材・家畜の糞尿・食品廃棄物などを直接燃焼させ、その熱で蒸気を作りタービンを回して発電したり、暖房に利用したりします。
他にも、バイオマスを高温で反応させて可燃性のガス(バイオガス)を生成し発電や燃料として利用します。
液体燃料化して利用する場合があります。
例えば、サトウキビやトウモロコシなどからバイオエタノール、植物油からバイオディーゼルなどの液体燃料を製造し、自動車燃料などに利用します。
このようにバイオマスを二次エネルギーに変換することで、廃棄物の有効活用できる場合があります。
CO2排出量を実質的にゼロとみなせる場合がありますが、資源の調達や管理、燃焼時の排出物などに注意が必要です。
化石燃料から二次エネルギーへの変換
石油からガソリン・灯油・軽油・重油へ
油田から採掘された石油は製油所と呼ばれる工場で処理されます。
石油を加熱し、沸点の違いを利用して様々な成分(ナフサ・灯油・軽油・重油など)に分離し、二次エネルギーへ変換します。
エネルギー密度が高く輸送・貯蔵が比較的容易ですが、燃焼時にCO2などの温室効果ガスを排出します。
天然ガスから液化天然ガス・都市ガスへ
ガス田から採取された天然ガスは、パイプラインやタンカーで輸送しやすいように処理されます。
硫黄化合物などの不純物を取り除き、燃焼時の環境負荷を低減させたうえで、長距離輸送のために、天然ガスを冷却して液体にします。
液化することでガスの体積を大幅に減少させ、輸送効率が向上させます。
輸送後は、液化天然ガスを気化させ都市ガスに変換します。
利用しやすいように圧力調整や発熱量調整などを行います。
石炭から電力・コークスへ
炭鉱から採掘された石炭は、主に火力発電や製鉄業で利用されます。
火力発電は、微粉炭に粉砕された石炭をボイラーで燃焼させ、発生する高温のガスで水を加熱して高圧の蒸気を作り、その蒸気でタービンを回して発電します。
また、石炭を高温で蒸し焼き(乾留)することで、不純物を取り除き炭素を主成分とするコークスが製造されます。
コークスは、製鉄所の高炉で鉄鉱石を還元するために使用されます。
石炭は埋蔵量が豊富で比較的安価ですが、燃焼時のCO2排出量が多く大気汚染の原因となる物質も排出します。
原子力からの変換
ウランから電力へ
原子炉内で、ウランなどの核燃料に中性子を照射し、核分裂連鎖反応を起こさせます。
この核分裂によって莫大な熱エネルギーが発生します。
発生した熱で原子炉内の冷却材(水など)を加熱し、高温高圧の蒸気を作り出します。
この蒸気で蒸気タービンを回し、その回転運動を発電機に伝えて電気エネルギーに変換します。
発電時にCO2を排出せず、高効率で安定した発電が可能です。
しかし、放射性廃棄物の処理や、重大な事故のリスクが課題となります。
これらの変換プロセスを経て、一次エネルギーは私たちの生活や産業活動を支える、様々な形態の二次エネルギーへと姿を変え、最終消費の段階へと進んでいくのです。
二次エネルギーから最終消費へ
一次エネルギーから変換された二次エネルギーは、様々なルートを経て、私たちの生活や産業活動の現場で最終的に消費されます。
電力の流れ
1次エネルギーから変換された電力は、送電線という電線ネットワークを通じて、変電所を経由しながら電圧を調整され、私たちの家庭や工場・オフィスなどに届けられます。
最終消費の場面では、照明・家電製品・工場の機械・情報通信機器・電気自動車の充電など、多岐にわたる用途で電力が利用されます。
ガスの流れ(都市ガス、LPガスなど)
一次エネルギーである天然ガスから製造された都市ガスは、地下に埋設されたガス導管(パイプライン)を通じて、各家庭や事業所に供給されます。
ガス田からパイプラインで都市ガス事業者まで輸送されます。
液化天然ガス(LNG)の場合は、タンカーで輸送後に気化されます。
そして、都市ガス事業者の供給網を通じて、各需要家のガスメーターまでガスが届けられます。
最終消費の場面では、調理・給湯・暖房・業務用のボイラーなど、熱エネルギーを必要とする用途で都市ガスが利用されます。
石油製品の流れ(ガソリン、灯油、軽油など)
製油所で精製されたガソリン・灯油・軽油などの石油製品は、タンクローリー車やパイプライン、タンカーなどで貯蔵基地やガソリンスタンドなどに輸送されます。
製油所から各地の油槽所へ、さらにガソリンスタンドや需要家へ輸送され、タンクに貯蔵されます。
ガソリンスタンドの給油機を通じて自動車に給油されたり、タンクローリー車で工場や家庭の暖房用タンクに配送されたりします。
最終消費の場面では、自動車・航空機・船舶などの輸送機関の燃料や、暖房器具・工場のボイラーなどで利用されます。
その他の二次エネルギーの流れ
コークスは、主に製鉄所へ直接輸送され、鉄鉱石の還元剤や燃料として利用されます。
水素は、まだ流通インフラが整備段階ですが、パイプライン輸送やタンクローリー車による輸送、その場での製造など、様々な供給方法が研究・開発されています。
最終消費の場面では、燃料電池車や発電などに利用が期待されています。
このように、二次エネルギーは、最終的に私たちの手元に届けられ、様々な形で利用されることで、現代社会の活動を支えているのです。
日本のエネルギー問題とは
本章では日本のエネルギー問題について4つ解説します。
1. エネルギー自給率の低さ
日本は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でもエネルギー自給率が極めて低い国の一つです。
2023年度の日本のエネルギー自給率はわずか15.2%に過ぎません。
経済産業省資源エネルギー庁 総合エネルギー統計により、International Energy Agency (IEA)が公表する自給率と考え方を整合させて計算した自給率から図を作成
https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/total_energy/results.html#headline7
石油・天然ガス・石炭といった主要な一次エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っています。
そのため海外の政治情勢や経済状況、災害などによってエネルギー供給が不安定になるリスクを常に抱えています。
また、エネルギー価格の変動にも大きく影響を受けやすく、国民生活や産業活動に直接的な負担となる可能性があります。
2. 化石燃料への高い依存度
エネルギー自給率が低い背景には、化石燃料への依存度が高い現状があります。
2021年度の日本の一次エネルギー供給構成を見ると、石油・石炭・天然ガスが全体の8割以上を占めています。
経済産業省資源エネルギー庁 総合エネルギー統計により作成
https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/total_energy/results.html#headline7
地球温暖化対策におけるCO2排出量削減の足かせとなるだけでなく、資源の枯渇リスクや価格変動の影響を受けやすいという課題があります。
3. 原子力発電の課題
東日本大震災に発生した原子力発電所の事故以降、国民の安全に対する懸念が高まり、多くの原子力発電所が運転を停止しました。
また、原子力発電は発電時にCO2を排出しないというメリットがある一方、放射性廃棄物の処理問題や安全性の確保・廃炉といった課題が依然として存在します。
4. 再生可能エネルギー導入の遅れと課題
日本は地球温暖化対策の切り札である再生可能エネルギーの導入は進んでいるものの、欧米諸国と比較するとその割合はまだ低い水準にあります。
送電網の容量不足や安定性の確保やコストなどが、再生可能エネルギーの導入の障壁となっています。
また、太陽光発電の適地不足や風力発電における騒音・景観の問題、地熱発電の地域の制約など、それぞれの発電に関して課題も存在します。
エネルギー問題解決への取り組み
実際にエネルギー問題に対してどのようにアプローチしているのでしょうか。
本章ではエネルギー問題解決に向けた取り組みを解説します。
日本政府の政策
これらの日本特有の課題を踏まえ、日本政府はエネルギー基本計画などを策定しています。「S+3E」と呼ばれ、安全性(Safety)前提に、エネルギー安定供給(Energy Security)・経済効率性(Economic Efficiency)・環境適合(Environment)のバランスの取れたエネルギー政策を目指しています。
持続可能で安定したエネルギーシステムを構築するためには、技術開発・インフラ整備・国民の理解と協力など、様々な努力が必要です。
エネルギー問題解決への鍵:「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」
複雑なエネルギー問題を乗り越え、持続可能な社会を実現するためにはさまざまな角度からの取り組みが求められます。
なかでも特に重要なキーワードとなるのが「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」です。
省エネ
省エネ(省エネルギー)とは、無駄なエネルギー消費を抑え、同じ活動を行うために必要なエネルギー量をできる限り少なくすることを意味します。
家庭ではこまめに電気を消したり、待機電力を減らす工夫をしたりするほか、節水や断熱性能の高い住宅への改修・省エネ家電の導入などが挙げられます。
産業分野では、高効率な生産設備の導入や製造プロセスの見直し、エネルギー管理の徹底が進められています。
また、運輸分野でも公共交通機関の積極利用やエコドライブの推進、燃費性能の高い車両の導入などが行われています。
省エネは、最も手軽に始められる取り組みでありながら、エネルギー消費量の削減に直結し、CO₂排出量の抑制やエネルギーコストの低減にも大きな効果をもたらします。
創エネ
次にエネ(創エネルギー)とは、自然界に存在するエネルギー源を活用して新たなエネルギーを生み出すことを指します。
特に、地球温暖化対策として、CO₂排出量の少ない再生可能エネルギーの導入拡大が重視されています。
例えば、太陽光発電システムの設置や風力発電所の建設、既存の水力発電所の維持・増強、地熱発電所の開発、バイオマス発電の推進といった取り組みが進められています。
創エネを推進することで、化石燃料への依存度を低減できるだけでなく、エネルギー自給率の向上やCO₂排出量削減にも大きく貢献します。
さらに、エネルギー源の多様化により、エネルギーリスクの軽減にもつながります。
蓄エネ
蓄エネ(蓄エネルギー)とは、発電されたエネルギーを一時的に蓄え、必要なタイミングで取り出して利用できるようにすることを意味します。
再生可能エネルギーは天候や時間帯によって発電量が変動するため、安定した供給のためには蓄エネ技術が欠かせません。
家庭用や産業用・電気自動車用など、さまざまな用途でリチウムイオン電池の普及が進んでいます。
また、余剰電力を使って水を高い場所に汲み上げ、電力需要が高まったときに発電する「揚水式水力発電」も有効な手段の一つです。
さらに情報通信技術(ICT)を活用し、電力の需給バランスを最適化する「スマートグリッド」の構築も重要な取り組みとなっています。
蓄エネの拡充は電力系統の安定化に寄与するだけでなく、災害時の非常用電源としても社会に大きな安心をもたらします。
このように、省エネ・創エネ・蓄エネという三つの視点からバランスよく取り組むことが、エネルギー問題の解決に向けた大きな一歩となるのです。
まとめ|エネルギーを「知ること」から未来が変わる
エネルギーは、私たちの生活に欠かせない存在です。
普段あまり意識することは少ないかもしれませんが、電気を使う・車を走らせる・お湯を沸かす——そんな日常のあらゆる場面に、エネルギーは深く関わっています。
この記事では自然界に存在する一次エネルギーから、私たちが実際に使う二次エネルギー、そして最終消費に至るまでの流れを見てきました。
また、日本が抱えるエネルギー自給率の低さ・化石燃料依存・原子力発電や再生可能エネルギーにまつわる課題についても整理しました。
これらの課題を乗り越え、持続可能な未来を築くためには、私たち一人ひとりが「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」という三つの視点を意識して行動することが重要です。
無駄なエネルギーを減らし、新しいエネルギーを生み出し、必要なエネルギーを賢く蓄える——そんな取り組みの積み重ねが、エネルギー問題の解決への道を切り拓いていきます。
エネルギー問題は決して遠い世界の話ではありません。
今日からできる小さな一歩を積み重ね、未来に続く豊かな社会を一緒に目指していきましょう。
FAQ
Q1. エネルギーの「需要」と「供給」はどうバランスを取っているの?
電力などのエネルギーは、需要(使いたい量)と供給(発電などで作られる量)が常に一致していないと、大規模な停電につながる恐れがあります。
電力会社や送電事業者は、需要予測を立てながら発電所の出力を調整したり、余剰時には蓄電池や揚水発電を活用するなどして、リアルタイムでバランスをとっています。
Q2. カーボンニュートラルって具体的に何をすること?
カーボンニュートラルとは、温室効果ガス(主にCO₂)の排出量を植林や二酸化炭素の回収技術などによって実質ゼロにすることを目指す取り組みです。
再生可能エネルギーへの転換・電動車の普及・エネルギー効率の向上など、社会全体で排出量削減と吸収量増加の両方に取り組む必要があります。
Q3. 電気料金はなぜ上がったり下がったりするの?
電気料金は、発電に必要な燃料(石油・天然ガス・石炭など)の価格変動に大きく影響されます。
また、為替レートや国際情勢・自然災害・政策変更(再エネ賦課金など)によっても変動します。
近年では、化石燃料価格の高騰が、電気代の上昇要因となっているケースが多いです。
Q4. 「電力自由化」って結局どういうこと?
電力自由化とは、家庭や企業が自分たちで好きな電力会社を選べる仕組みのことです。
かつては地域ごとに決まった電力会社しか利用できませんでしたが、現在はさまざまな新電力会社が登場し、料金プランや電源構成(再エネ中心など)を比較して選べるようになりました。
Q5. 未来のエネルギーにはどんな新しい技術が期待されていますか?
たとえば下記のような技術が期待されています。
- 次世代型蓄電池(全固体電池)
- 水素エネルギーの普及
- 小型モジュール炉(SMR)による安全な原子力発電
- 人工光合成技術
などが注目されています。
これらの技術が進化すれば、より安全でクリーンなエネルギー社会の実現に近づくと期待されています。