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蓄電池は、太陽光発電などで発電した電気をためて使える便利な設備です。

電気代を減らしたり、停電のときに電気を使えたりするので、最近は家庭に取り入れる人が増えています。

しかし、蓄電池は一度買えばずっと使えるわけではありません。

長く使っていると交換しなければいけない時期がやってきます。

そして、交換には思ったよりお金がかかることがあります。

この記事では、蓄電池の交換にどれくらいの費用がかかるのか、いつごろ交換が必要になるのか、そして出費を抑えるためにできる工夫について、初めての人にもわかりやすく解説していきます。

蓄電池の交換費用の相場はどのくらい?

蓄電池の交換費用は、保証の有無や蓄電池の種類によって大きく変わります。

本章では、保証期間内と保証期間外に分けて、費用の目安をわかりやすく紹介します。

保証期間内の場合

蓄電池の保証期間内であれば、交換費用はほとんどかからないことが多いです。

たいていのメーカーは、購入から10年〜15年ほどの保証をつけています。この期間中に、自然な使い方をしていて蓄電池が故障した場合は、無料で交換してもらえるケースがほとんどです。

ただし、火災や地震などによる損害は、保証の対象外になることがあります。

保証内容はメーカーによって違うため、契約前や購入時にしっかり確認することが大切です。

保証期間内に不具合に気づいたら、早めに販売店やメーカーに相談するのが安心です。


保証期間外の場合

保証期間を過ぎてから蓄電池を交換する場合は、まとまった費用がかかります。

一般的な家庭用蓄電池の交換費用は、容量やタイプによって違いがありますが、相場は70万円〜250万円ほどです。

また、蓄電池の交換時には設置工事費や古い蓄電池の処分費も必要になります。これらの費用もあわせて考えることが大切です。

予算や使い方に合わせて、無理のない範囲で適切な製品を選ぶようにしましょう。 

蓄電池の交換が必要になるタイミングとは?

家庭用蓄電池は、一度設置すれば長期間使えますが、いつかは交換が必要になります。

本章では、3つの蓄電池交換のタイミングについて解説します。
 

寿命を迎えたとき

蓄電池は、設置してから15〜20年ほどで寿命を迎えるのが一般的です。

見た目には問題がなくても、内部の部品が少しずつ劣化していき、蓄電できる電気の量が減っていきます。
特に、以前より電気の減りが速いと感じた場合は、蓄電容量が落ちているサインかもしれません。

そのまま使い続けると、停電時などに必要な電力をまかないきれない可能性があります。
設置から15年が経過したら、専門業者に点検を依頼し、交換が必要かどうかを確認することをおすすめします。

充放電回数の上限に達したとき

蓄電池には「何回まで充電・放電をくり返せるか」という目安があります。

これを「サイクル数」と呼び、たとえば6,000回や12,000回など、製品ごとに設定されています。

蓄電池を毎日使う家庭では、年数より先にサイクル数の上限に達するケースもあります。

サイクル数の上限を超えると性能が落ちやすくなり、不具合や故障のリスクも高まります。

そのため、購入時にサイクル数が多い製品を選んでおくことが、長く使ううえでのポイントです。


故障したとき

寿命や回数の上限に達していなくても、突然の故障で交換が必要になることもあります。

たとえば「残量がすぐに減る」「異音がする」「充電が完了しない」といった不具合は、蓄電池の異常のサインです。

これらの症状を放置すると、蓄電池が使えなくなるだけでなく、日常生活にも支障が出る可能性があります。

異常に気づいたら、すぐにメーカーや販売店に相談しましょう。

保証期間内であれば、修理や交換の費用が抑えられることもあります。


 

蓄電池を長持ちさせる使い方のコツ

蓄電池は使い方次第で、寿命や性能に大きな差が出ます。

本章では2つのポイントをわかりやすく解説します。

過充電・過放電を避ける

蓄電池には、充電や放電の回数に限界があります。

満タンの状態で充電を続けたり、電池残量がゼロになるまで使い切ったりするのは避けましょう。

こうした使い方は蓄電池に大きな負荷をかけ、寿命を縮める原因になります。

目安としては、蓄電池の残量が30〜50%になったら充電を始めるのがおすすめです。

多くの蓄電池には過充電や過放電を防ぐ機能が備わっているので、上手に活用しましょう。

適切な管理をすることで、蓄電池を長く使い続けられます。


日陰や風通しの良い場所に設置する 

蓄電池は熱や湿気に弱いため、設置場所も重要です。

直射日光が当たると本体が高温になり、劣化が早まります。

日陰で風通しの良い場所を選ぶと、熱がこもらず湿気もたまりにくくなります。

どうしても日光が当たる場所しかない場合は、遮光板やパーテーションで日陰を作る工夫をしましょう。

こうした対策をとることで、蓄電池の性能を保ち、安全に長く使えます。


 

蓄電池の交換費用を安く抑えるためには?

交換にかかる費用を抑えるためには、事前に利用できる制度やサービスを把握し、賢く活用することが重要です。

ここでは、費用削減に役立つ主な方法を二つ紹介します。

補助金制度を利用する

蓄電池の交換費用を安くするために、まず検討したいのが「補助金制度の活用」です。

国や自治体が実施している補助制度をうまく使えば、数十万円単位で費用を抑えることができます。

たとえば、以下のような国の補助金制度があります。

補助金の名称

補助金額

補助金の特徴

こどもエコすまい支援事業

定額64,000円

制度名に「こども」とあるが、蓄電池設置に関しては子育て世帯に限らず、すべての世帯が申請できる。
申請は登録事業者が代行するため、比較的スムーズに手続き可能。


 

DR補助金

37,000/kWh

上限60万円

国や地域の電力が足りなくなりそうなときに、自宅の蓄電池を使って電力需給のバランスを整えることに協力することで、補助金がもらえる制度。

なお、これらの補助金制度では、対象となる蓄電池が指定されています。

申請前に、導入予定の蓄電池が補助金の対象製品であるかを必ず確認してください。

また、これらの補助金は、地方自治体の補助金と併用できる場合もあります。

補助金の内容は年度ごとに変わることがあるため、蓄電池を交換する前に最新の制度を必ず確認しましょう。


 

延長保証制度に加入する

もう一つ、交換費用を抑える方法として有効なのが「延長保証制度への加入」です。

これは、蓄電池購入時に保証期間を延ばしておくことで、将来的に発生する修理費や交換費を無料にできる可能性がある制度です。

たとえば、ニチコンの蓄電池では、もともとの保証が10年間ありますが、5〜7万円程度でさらに5年間の延長保証をつけることができます。

これにより、最大15年間の保証を受けられます。

蓄電池は年数が経つにつれて故障のリスクが高まります。

万が一のトラブルに備える意味でも、延長保証に加入しておくと安心です。

費用としては数万円かかりますが、保証期間を延長しておくことで、万が一その期間中に不具合が発生した場合でも高額な修理費用を回避できます。

長く安心して蓄電池を使いたい人にとって、延長保証制度は非常に価値のある選択肢です。

まとめ 

蓄電池は長期間の使用により節約効果が高まりますが、寿命や故障に備えて交換時期や費用についても理解しておくことが大切です。

費用が高額になることもあるため、充電方法や設置環境などを工夫し、できるだけ長持ちさせることが重要です。

この記事で紹介したように、補助金や延長保証をうまく活用することで、交換費用を抑えて安心して使い続けることができます。

蓄電池を賢く管理し、長く快適な暮らしを実現しましょう!

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