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電気代の高騰や災害時の備えをきっかけに、「太陽光発電を導入したい」「導入するならムダなく使いたい」と考える方は多いのではないでしょうか。

とはいえ、太陽光発電を効果的に使いこなすには、コツや知識が必要です。

 

本記事では、導入前に知っておきたい基礎知識から、導入のメリット、日々の上手な使い方まで分かりやすく解説します。

 

太陽光発電の仕組みと基礎知識

太陽の光が屋根のパネルに当たると、電気がつくられます。

太陽光で作られたエネルギーはそのままだと使えないため、家庭用の電気に変えるための機械を通して、日々の生活で利用できる電気となる仕組みです。

 

太陽光発電で作られた電力は優先的に家庭内で使われ、余った分は貯蓄したり、電力会社に買い取ってもらったりして活用できます。

 

国が用意している「電気の買い取り制度」を使えば、決まった価格で約10年間、余った電気を売れる点が太陽光発電のひとつの利点です。

たとえば3キロワットの設備を設置した場合、1年で4万円ほどの収入が得られることもあります。
 

太陽光発電の効果を上手に引き出すには、電気を「作る・使う・残す」の流れを理解しておくことが大切です。
 

毎日の暮らしで、電気の使い方を少し意識するだけでも、ムダを減らせて節約にもつながりますよ。
 

太陽光発電で得られる4つのメリット

太陽光発電の導入により得られる4つのメリットを解説します。

 

電気代を大幅にカットできる

太陽光で作った電気を家庭内で使うことで、電力会社から購入する電気代の節約につながります。

 

たとえば、家で使う電気の半分を太陽光でまかなえた場合、月々の電気代を約30〜50%削減できるケースもあります。

 

発電ピークにあたる午前10時〜午後3時頃に、洗濯機・食洗機・掃除機などを稼働させると発電した電気をムダなく使えるためおすすめです。

 

決まった時間に家電を自動で動かせるスマートプラグを活用すれば、時間帯に合わせて自動運転が可能になり、さらに効率よく電気を使えます。
 

電気代がどんどん上がっている今、一部の電気を自家発電でまかなえるのは、大きな安心材料になるのではないでしょうか。

 

売電収入が得られる

太陽光発電で生まれた電気のうち、家庭で使いきれなかった分は、電力会社に買い取ってもらえます。

電力を買い取ってもらう仕組みは「売電」と呼ばれ、自宅で使わずに余った電気をお金に変える方法です。

 

たとえば、国が定めた制度を活用すると、10年間にわたり電気を1キロワット時あたり16〜20円の固定価格で売ることが可能です(2024年時点)。

 

使用頻度が少ない昼間の消費電力をコントロールして、売電にまわす電力を確保する上手な使い方も可能になります。

 

発電状況を把握しながら、収益性の高いタイミングで電気を余らせるように計画することがポイントです。

 

災害時に家庭電源を確保できる

太陽の光で電気をつくれる太陽光発電は、停電時にも電気が使える心強い存在です。

災害で電気が止まっても、晴れていれば太陽の力で電気をつくり、家庭で使えます。
 

停電時に自動で切り替わる機能がついていれば、冷蔵庫やスマートフォンの充電など、最低限の生活を支えてくれます

 

さらに電気をためておける「蓄電池」と組み合わせれば、日中に発電した電力を夜間や悪天候時にも使えるようになり、停電が長引いても安心です。

 

あらかじめ非常用コンセントの位置を確認し、災害時の運用マニュアルを家族で共有しておくことが大切です。

 

環境貢献+補助金が得られる可能性がある

太陽光発電を取り入れると、1年でおよそ1トンもの二酸化炭素を減らせるといわれています。

二酸化炭素の排出を減らせれば、地球温暖化を防ぐうえでも大きな意味があります。
 

環境貢献の評価から国や自治体によっては、太陽光発電の導入に対して補助金や税金の優遇が受けられる場合があります。

 

導入前にお住まいの自治体の補助金制度を確認し、申請期限や必要書類を事前に把握しておくことで、スムーズに初期費用の一部をカバーできます。

 

補助金制度を活用して、太陽光発電を上手に運用しましょう。

太陽光発電導入前に知りたいデメリット

太陽光発電を導入してから後悔しないために知っておきたい3つのデメリットを紹介します。

 

マイナス面も理解したうえで、納得して導入判断しましょう。

 

導入コストがかかる

太陽光発電の導入には、一般的に100〜150万円前後の初期費用がかかります(3〜4kWの家庭用システムの場合)。

 

導入コストの内訳には、以下が挙げられます。

  • 太陽光パネル
  • パワーコンディショナ(電気を家庭用に変える装置)
  • 工事費
  • 申請費用など

 

電力の買い取り制度で費用の回収ができますが、地域の条件や電気使用量によって回収期間は異なり、元を取るまで約10年以上かかるケースがあります
 

補助金制度を活用して費用を抑えられる可能性がありますが、タイミングや地域によっては申請できない場合もあるため、事前に確認が必要です。
 

無理のない予算で計画を立てることが、後悔しない太陽光発電の上手な使い方につながります。

 

発電量が季節・天候で変動する

太陽の光を使って電気をつくる太陽光発電は、天気や季節の影響を受けやすくなります。

夏場の晴天時にはたくさんの電気がつくれますが、冬場や梅雨時期は発電量が30〜50%程度に落ち込むケースがあります。

 

曇りや雨の日にも電力量が不安定になるため、電気をたくさん使う家庭では、電力会社から電気を買う必要が出てくることがあります。

 

天候の変化を見越して電気を蓄えておける蓄電池を導入したり、電気を使うタイミングをずらしたりする工夫が効果的です。
 

太陽光発電の効果を最大限に活かすには、天候や季節ごとの影響への理解や工夫が重要になります。

 

屋根条件やメンテナンスの手間がかかる

太陽光パネルを設置するには、南向き・十分な傾斜・遮るものがないといった条件が理想です。

建物の立地や構造によっては効率的な設置ができず、十分な発電効果が得られないケースもあるため、事前に確認が必要です。

 

また、長期間にわたって安定稼働させるには、定期的な点検や清掃が必要です。

落ち葉や鳥のフン、黄砂などがパネル表面に付着すると、発電効率低下の原因となるため気を付けなければいけません。

 

業者による定期点検を依頼する際は年間1〜2万円ほどかかることもあるため、長期的な維持コストも計画に入れておきましょう。
 

太陽光発電を上手に使う活用術

太陽光発電の効果を最大限に引き出すには、電力の使い方が重要です。

太陽光発電を上手に使うための、具体的な活用術を3つ紹介します。

 

タイマー家電で昼間に電力を集中消費

太陽光発電は、日中の明るい時間にたくさんの電気をつくります。

この時間帯に電気を使うようにすると、自分の家でつくった電気を効率的に活かせます。

 

たとえば、洗濯機や食洗機、炊飯器などの家電をタイマー機能を活用して日中に稼働させることで、発電した電力の無駄を最小限にできます。

外出中でもスマート家電を使えば、外出先からスマホで操作して家電を動かすことも可能です。
 

家電を使う時間を調整して、太陽光発電で電気をたくさんつくれる時間帯に合わせて電力を使いましょう。

 

蓄電池・EV充電で夜間も自給自足

太陽の光でつくった電気は、使いきれない分を電池にためておけます。

蓄電池により、電気をつくりにくい夜や雨の日でも電気を使えるようになり、電気代の節約につながります。


 

また、電気自動車(EV)を所有している場合、車のバッテリーにためた電気も家庭用電源として活用できます。

蓄電池や車のバッテリーを使えば、停電時でも家電を使えるので、いざというときの安心にもなります。

 

アプリで発電と消費を見える化

最近ではスマホの専用アプリを使えば、太陽光でどれだけ電気をつくり、使っているのかをリアルタイムで確認できます。

電力の使用状況を定期的に確認することで、効率的な使い方を意識しやすくなります。

 

専用アプリの例として、京セラの「ハウスマイルナビィ」や、パナソニックの「スマートHEMSアプリ」があります。
 

アプリを活用することで、ムダな使い方を見つけるきっかけにもなるので、ぜひ活用してみましょう。

 

太陽光発電を運用するコツ

太陽光発電の効果を最大限に引き出し、上手に運用するための具体的なコツを3つ紹介します。

 

パネル清掃と影対策

太陽光パネルは、表面がきれいなほどたくさん電気をつくれます。

鳥のフンや落ち葉、ほこりなどがたまると、光を受けにくくなり発電力が弱まります。

 

定期的な清掃により、パネル表面を清潔に保つことが太陽光発電の効果を最大限にするために重要です。

 

また、周囲の樹木や建物による影にも気を付けましょう。

影がパネルにかかると、部分的な発電量の低下だけでなく、システム全体の効率にも影響を及ぼす可能性があります。
 

定期的に周囲の環境をチェックし、必要に応じて剪定やパネルの向きや場所の見直しを行ないましょう。

 

電力プランを定期的に見直す

太陽光発電を導入しても、電気代が思ったほど下がらない場合は、契約している電力プランが適切でない可能性があります。

 

電力会社やプランによって、料金体系や割引制度が異なるため、ライフスタイルや電力使用状況に合ったプラン選びが重要です。

 

昼間の電力使用が多い家庭では、昼間の電力単価が安いプランを選ぶことで、電気代を減らせるケースがあります。

電力会社が提供するシミュレーションツールを活用して、最適なプランを見つけるのも一つの方法です。

 

高効率家電への買い替え

冷蔵庫・エアコン・洗濯機などの大きな家電は、最新の省エネタイプへの買い替えにより、使う電気を減らせます。

製造年数が古い家電は消費電力が高く、太陽光発電による発電を無駄にする可能性があるため注意が必要です。

 

家電の買い替えは大きな出費ですが、毎月の電気代を抑えることを考えると、長い目で見ればおトクになるケースも多いです。

よく使う家電からチェックして、省エネ性能の高いタイプに少しずつ見直してみてください。
 

また、エコキュートなどの高効率な給湯器を導入することで、さらに電力の有効活用が可能です。

まとめ

太陽光発電を最大限に活用するには、日中の電力使用の工夫や、蓄電池・家電の見直しが鍵となります。

 

太陽光発電の導入前にはコストや発電量の変動などデメリットの把握も大切です。

導入後は定期点検や電力プランの見直しを継続することで、より高い費用対効果が期待できます。

 

「洗濯の時間を昼にずらす」「蓄電池を導入する」のような取り入れやすい工夫から始めて、効率的で無駄のないエネルギー活用を目指しましょう。

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